ケトジェニックと糖質制限の違い

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糖質制限はすでに理解されていることが多いと思うので、ここではケトジェニックに注目してまとめます。

キーワードは

KETOSIS(ケトーシス)

です。

人間の体は、炭水化物がすごく不足している時には、脂質をエネルギー源にして活動し始めます。

炭水化物不足に体がなった時、体はまず体に少し残っている炭水化物から使い始めます。この時の炭水化物はGlycogen (グリコーゲン)です。グリコーゲンは、筋肉と肝臓にあります。

これらの炭水化物を全て使い切るのに、2−5日かかると言われています。

全て使い切ると、最終的にはKETOSISモードに入ります。つまり、炭水化物を使い切ったので、やっと肝臓が脂質 (Fat)をエネルギー源として使い始めます。具体的には、肝臓が脂質をケトン体 (Ketone bodies)に変換し始めます。

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通常、ケトン体は飢餓状態の時に、上記のような過程でサバイバルとして生産されます。 

これを利用したのがケトジェニックダイエットです。

適切な食べ物を適切な時に摂取して、いわゆる飢餓状態を作り出すように操作します。それによって、筋肉が減少したり意識朦朧としたりすることなく、飢餓状態による恩恵を体が受けれるというわけです。

グルコース (Glucose: 炭水化物の一つの形態)をエネルギー源としている時と、脂質をエネルギー源としている時とどちらが効率的なのか。

これは、その人の活動レベルによります。

まず、カロリーの違いを見て見ます。

グルコース:1グラムあたり4カロリー

脂質:1グラムあたり9カロリー

これだと、脂質の方が太る!という見方が先走りそうですが、詳細を確認してみましょう。

エネルギーという観点から見ると、脂質をエネルギーとして稼働するようにすると、1グラム食べただけで多くエネルギーを摂取することが出来るます。つまり、食べる量が減っても満足感を感じることが出来るようになり、1日を通してエネルギッシュに過ごすことができます。脂質は、グルコースよりも満足感を感じることができるので、空腹感を感じる回数が少なくなります。

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脳に関しても見ていきましょう。

通常、脳はグルコースをエネルギー源として働くことを好みます。

しかし、ケトジェニックダイエットによってケトーシス状態になり、つまり肝臓がケトン体を産生している時、ある特定のケトン体が脳のとても興味深い作用を示します。そのケトン体とは、β-Hydroxybutyrate(β-ヒドロキシ酪酸,β-HB)と呼ばれるものです。

β-ヒドロキシ酪酸は、酸素単位あたり、グリコーゲンよりも多いエネルギーを出すことが出来ます。そのため、一旦ケトーシス状態になっていると、このβ-ヒドロキシ酪酸が脳の活動をグリコーゲンよりも促進させることができます。このことから、ケトジェニックダイエットを行っている人は、多幸感がありとても気分が良い状態過ごせると言われています。

次に、脳にあるミトコンドリア (mitochondria) に及ぼす良い影響について

2004年にラットで行われた研究 (https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15469884/)で、レギュラーな食事をするグループとケトジェニックな食事をするグループ、2つのグループを比較したものです。

結果は、ケトジェニックな食事をしていたグループの方が、脳の海馬やその他の部分のミトコンドリアの遺伝子発現に良い影響があったそうです。具体的には、記憶と集中において、良い結果が得られました。つまり、通常より多くのエネルギー、血流があり、記憶や集中において、かなり効果的に作用するということです。

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ケトジェニックダイエットが向いている人・向いていない人

高負荷のアスリートだったり、全速力で走るようなタイプの運動をする人の場合、ケトジェニックダイエットは向いていないかもしれません。ケトジェニックダイエットによって脂肪は燃焼できますが、おそらく体力が落ちた、もしくは弱くなった、と感じるかもしれません。なぜなら、このタイプの運動はATPをたくさん必要とします。ATP生産は、圧倒的にグルコースを使って稼働するからです。

一方、持久力を要求されるようなトレーニングやアクティブな運動をしない人には、向いていると言えます。上記のタイプの人ほどATPをそれほど必要としないからです。持久力を要求されるような活動の場合、ATPよりもβ酸化を稼働させています。

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ケトジェニックダイエットは、その人の活動レベルによっても向き不向きがあり、成功している人も気持ち悪くなってしまう人もいるので、メカニズムを少しでもお伝え出来ればと思います。

参考文献

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15469884/

Ketogenic Diet vs. Low Carb Diet: Thomas DeLauer https://youtu.be/gnH-BfIdo_M

※当ブログに掲載されている情報は、一般的な情報提供を目的としています。これらの情報は、医学的・栄養学的なアドバイスやサービスの提供を行うものではなく、決して、医師その他医療従事者によるアドバイスの代わりになるものではありません。

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